畳の張替えにはどれくらい費用が掛かる?大まかな相場をチェック!
家の中にある和室は、癒しを与えてくれます。しかし、和室の畳は使い続けていれば次第に状態は悪くなり、見た目もぼろぼろになるので要注意です。このようなときは、替えようかなと思っても、かかる費用が分からないという方も少なくありません。今回は、畳の張替えがいくらなのかについてまとめます。
まずは畳の構造を理解しよう
畳は、大きく分けて3つのパーツを組み合わせて製造されます。まず、畳の中心部分にあるのが畳床、畳の弾力を左右する重要なところです。この部分は一般的に稲わらで製造されており、何枚も圧力をかけて重ねます。しかし、最近の畳床は必ずしも稲わらとは限りません。ポリスチレンや気質の繊維なども使われています。
次に畳床をカバーする形で覆われているのが畳表です。一般的にはゴザと知られている部分でイ草が使われています。畳を新しく新調して、さわやかなにおいを感じたときは、このイ草のにおいと思ってもよいでしょう。畳表に使われるイ草には、気持ちを落ち着かせる効果はもちろんのこと、保温、断熱、湿度のコントロールにも効果を発揮します。
そして、畳表を畳床に固定し、畳同士を密着させる役割を果たしているのが、畳縁と呼ばれる縁を彩る部分です。畳縁は種類が多いため、張替え時にあえて違うデザインを使う方も少なくありません。このように、畳は本体となる畳床、畳床を覆う畳表、そして畳表を固定する畳縁で構成されています。
畳張替え費用の目安
張替え時にかかる費用は、各方法で異なります。比較的安価な方法もあれば、高額な方法もあるため、張替えを行うときは状況に応じて適切な方法を選びましょう。
■表替え
表替えとは、畳床のカバー的存在になっている畳表を新品に替えてしまうことです。一部のみの交換という形ですが、交換には1畳あたり4,000~2万円かかります。汚れや傷の具合にもよりますが、長年使い続けてきた畳を再利用したい方にはおすすめの方法です。
■裏返し
裏返しは、現在の畳表の裏面を使うため、表替えや新品購入よりも比較的安価です。価格は1畳あたり4,000~5,000円が相場となっています。作業を行うときは、畳縁をすべて外して畳表の裏面を再度取り付けます。したがって現在使用している畳縁は、自動的に交換です。
裏返しの作業は、依頼したたたみ屋さんが畳を自社に持ち帰って行います。畳を取り外すため、一時的に部屋が使えなくなりますが、ほとんどの場合は即日完成してくるでしょう。今日中に畳をきれいにしたいと考えている方にはおすすめの方法です。
■新調
畳をすべて新しいものに替える新調は、表替えや裏返しよりも高額になります。畳の価格は一般的に1畳あたり1~4万円程度ですが、グレードにより1万円以下や4万円以上の畳も存在します。畳の価格は素材だけでなく、デザインも豊富です。部屋のイメージを変えるために、既存のデザインとは異なるものにしてもいいでしょう。
発注から納品までに要する日数は、早くて2日間程度、畳の種類や生産状況によっては2週間程度かかることもあります。時間がかかる方法のため、大掛かりなリフォームと一緒に行ってもよいかもしれません。
畳の張替えはいつ頃行うべき?
畳は、使い続けていると変色したり、ささくれができたりします。このような場合は、畳の張替えが必要です。しかし、張替えには前述の通り、表替えや裏返し、そして新品に替える新調の3つの方法が存在します。3つの方法は、それぞれ張替える時期や方法が異なるため、畳の状態に適した選択が大切です。
■畳表を新品に替える
表面に張り付けている畳表を思い切って新品に替えます。畳床は、そのまま使用するので座ったときや歩いたときの感じは変わらないでしょう。交換の目安は4~8年程度、畳表は裏返しで使えるので、裏返しを行って数年経ったときが張替えの時期です。ただし、交換の目安は畳の傷み具合で変わります。シミや傷で裏返しができない、子どもがいるため早めに交換したいといったときは、当ページでご紹介した目安に関係なく新しいものに替えた方がいいでしょう。
■畳表の裏面を使う
畳表の裏面を使用することを裏返しといいます。裏返しをする際は、表面に汚れや傷が目立つようになった2~5年程度が目安です。ただし、この作業の場合は裏面がきれいなことが前提です。何らかの液体をこぼしたり、強い日差しを受けていたりして傷んでいる場合は難しいでしょう。作業を行うときは、畳の縁に縫い付けている畳縁を外します。外すときは、使っている糸もすべて外し、畳表を裏返しにしてから新しい畳縁に交換しなければいけません。
■新しい畳をつくる
新しい畳をつくることを新調といいます。畳に使われている各パーツがすべて新品になるため、部屋全体が新しくなったように感じます。畳のへこみやシミ、そして傷はすべてなくなりますし、新しい畳特有の清々しいにおいが復活するでしょう。新調するタイミングは10~15年程度ですが、こちらの方法も傷み具合によります。
畳の張替えは、各種類により大きく費用が異なります。一般的に早くて安いのは裏返しですが、傷み具合によっては表替えや新調も選択肢の一つです。畳は、いずれ補修や買い替えの時期が訪れます。畳がきれいになると、心身ともにリフレッシュされると思いるため、張替え時期が訪れたときは、ご自宅に適した方法を選択してください。