畳にカビ・ダニが発生してしまう原因とは?防止策を事前にチェック!
日本人にとって昔からなじみ深く、癒しの空間をもたらしてくれる畳ですが、きちんとメンテナンスをしないとカビやダニの温床となってしまいます。そこで今回は、畳にカビやダニが発生してしまう原因と対処法、カビやダニを発生させないために日頃から注意すべきことなどをまとめました。心地のよい和室を維持したい方はぜひ参考にしてください。
畳にカビ・ダニが発生してしまう原因
畳には部屋の湿度をしてくれる機能がありますが、実はその性質がカビ・ダニの発生に深く関わっているのです。畳にカビやダニが発生してしまう原因について説明します。
■イグサの性質に関係している
イグサや藁でできている畳は、部屋の空気を浄化する作用があり、空気中の湿気を吸収する機能があります。部屋の空気が乾燥している場合には、吸収した水分を放出して部屋全体の湿度を調節してくれます。しかし、このすぐれた調湿機能が、カビやダニにも住みやすい環境をつくってしまうのです。空気中に含まれるカビ胞子は、水分や養分がある畳に付着しやすく、さらに食べかすや人の皮脂などのエサとなるものが落ちていることでダニが繁殖します。
■高温多湿の時期は要注意
カビやダニは湿度が高いほど大量に発生します。とくに湿度が高くなる梅雨から夏にかけては注意が必要です。畳は昔から日本の家には当たり前にあるものですが、今ほどカビやダニに悩まされることはありませんでした。ところが、最近は住まいの高気密化・高断熱化が進み、畳から放出される水分が家の外に逃げられなくなり、室温が保たれるようになったため、カビやダニが発生しやすい環境となってしまったのだと考えられます。
畳にカビ・ダニが発生した場合の対処法
畳に発生したカビやダニをそのまま放置してしまうと、アレルギーや喘息などの健康被害を引き起こす恐れがあります。カビやダニが発生しているのに気づいたら、すぐに対処をしましょう。カビとダニが発生した場合の対処法について解説します。
■カビの対処法
畳にふわふわとしたカビが生えてしまったら、まずは乾いた床用のワイパーで、畳の目に沿ってそっと取り除きます。次に目地ブラシや歯ブラシで畳の編み目に入り込んだカビの胞子をかき出します。そのあと固く絞った雑巾で拭きとり、エタノールをふりかけて除菌しましょう。
畳にカビの色が残ってしまった場合は、重曹とエタノールをふりかけ、ブラシで軽くこすって色を落とします。それでも落としきれなかったり、においが気になったりする場合は、消毒用アルコールやお酢で拭きとって除菌をします。いずれの場合も、最後は固く絞った雑巾で拭きとり、しっかり畳を乾燥させるようにしましょう。
■ダニの対処法
ダニの繁殖の原因は、湿度のほかに垢や埃、食べかすなどがあります。まずはしっかりと掃除機をかけてダニのエサとなり得るものを除去しましょう。掃除機をかけるときは、ゆっくりと時間をかけて、畳の目に沿って動かすようにします。掃除機をかけることで畳の中の水分も吸い取られ、畳を乾燥させることができます。
次に、掃除機では取り切れない皮脂汚れをきれいにするために拭き掃除をしましょう。固く絞った雑巾で丁寧に拭き取ります。可能であれば畳を取り外し、畳の下まで掃除するとよいでしょう。
畳にカビ・ダニを発生させないためには?
畳にカビやダニを発生させないためには、日頃から予防を心がけることが大切です。
■畳の上にものを置かない
畳の上に布団やカーペットなど、常に敷いているものがあると湿気がこもり、カビやダニが発生しやすくなってしまいます。畳の上にはなるべくラグやカーペットは敷かず、布団も敷きっぱなしにせず、その都度押し入れにしまうことをおすすめします。常時上に何かを置く場合は、すのこを利用するなど畳との間に隙間をつくるようにしてみましょう。
■空気を乾燥させる
畳のカビやダニを防ぐためには、和室に風を通し、湿気を逃がして空気を乾燥させることが大切です。最低でも1日に1回は窓を開けて風を通し、空気を入れ換えるようにしましょう。
■こまめに掃除をする
カビやダニは湿気だけでなく、埃や人間の垢、皮脂などの汚れが好物です。こまめに掃除をし、エサとなる汚れを取り除くようにしましょう。毎日掃除機をかけ、雑巾で水拭きをするのはとても大変ですが、こまめに掃除をすることが一番効果的な予防となります。湿度の高い梅雨の時期はとくに気をつけ、清潔な状態を保つことでカビやダニの繁殖を防ぎましょう。
畳は、室内の湿度を調節する機能をもち、住む人にとって快適な環境をつくり出してくれます。しかし、その環境は、人だけでなくカビやダニにも住みやすいものとなってしまうのです。畳のカビやダニを防ぐためには、こまめな掃除と換気など日頃からきちんと手入れをすることが重要です。取返しのつかない状態にならないよう、しっかり予防をしておきたいところですが、もし自力では対処できないほどになってしまったら、プロの業者に相談し、張替えを検討してみてもよいでしょう。