畳の張替え方法は大きく分けて3種類!それぞれの特徴を理解しよう
やさしい肌ざわりと懐かしい香りで心の落ち着く和室ですが、年月の経過とともに畳のささくれや、色の変化が気になってくるものです。そんな時に必要なのが畳の張替えですが、張替えはどのように行えばよいのでしょうか。この記事では、畳の張替え方法や費用相場について紹介しているので、張替えを検討している方はぜひ参考にしてください。
畳の張替え方法の種類ごとの特徴
畳の張替え方法は大きく分けて「裏返し」「表替え」「新調」の3種類があります。畳表と畳床の傷み具合によって適した張替え方法を選ぶとよいでしょう。まずは3つの張替え方法と張替えのタイミングなどについて説明します。
■畳表を再利用する「裏返し」
現在使用している畳の表面部分を一旦取り外して裏返し、まだ綺麗な面を表にして再び使用する方法です。畳を使い始めて2~3年経過し、表面の劣化が気になってきたら裏返しを行うとよいでしょう。裏返すだけでもまたイグサの香りが感じられ、新品のような状態に戻すことができます。比較的簡単なメンテナンスなので費用も安く、工期も1日あれば充分です。
■畳表を新しくする「表替え」
畳表と縁を新しい物に取り替える方法です。過去に裏返しをしていて再び表面が傷んできた畳や、使用開始から5年以上経過している畳には表替えが適しています。この方法も1日でできる張替えですが、費用は裏返しよりも高くなります。
■畳床から一新する「新調」
今まで使っていた畳を処分し、畳をまるごと新しくする方法です。どれだけ畳表を新しくしても内側の劣化は進んでしまうものなので、使用開始から10~15年を目安に新調を行うとよいでしょう。新調の場合は、現在の畳を採寸した後、和室の広さに合わせて業者が新しい畳をつくるため、張替えが完了するまでにある程度の期間を要します。すべてを新しくするので、3種類の張替えの中では一番費用も高くなります。
畳の張替えはいくら位でできる?
次に、畳の張替えにかかる費用について見ていきましょう。3つの張替え方法における費用の相場を紹介します。表替えと新調の場合は、新しく取り付ける畳表のランクによって費用が左右されますが、ここでは一般住宅の和室に用いられることの多い「二等」の縁あり畳を基準としています。
■裏返しの場合
裏返しの相場は、一畳あたり3,000~5,000円です。6畳一間では1万8,000円~3万円の費用がかかるでしょう。
■表替えの場合
表替えの場合は、一畳あたり6,000~1万5,000円が費用の相場となります。6畳一間では3万6,000~9万円となります。
■新調の場合
新調の場合は、畳の張替え費用にくわえて古い畳の処分費用もかかるため、割高になります。1畳あたり1万~2万2,000円が相場で、6畳間をすべて新調する場合は6万~13万2,000円ほどかかることが予想されます。
畳の張替えを依頼する前に知っておくべき注意点
最後に、畳の張替えをする際に知っておきたいポイントを紹介します。
■一畳だけ張り替えると色が変わる
「畳が部分的に汚れてしまった」という場合は、シミや汚れのついた一畳だけを張り替えたいと考える方もいるかもしれません。その場合、新しくした一畳だけ色が変わってしまうということを理解しておきましょう。部分的に色が違うのが気になる場合は、ほかの畳の状態もチェックして、すべて一緒に張り替えてしまうというのもおすすめです。一度業者に相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。
■安いだけで選ばない
畳の張替えにかかる費用は、新しくつける畳表のランクによって変わってきます。高級な畳はその分価格も上がりますが、逆に安い畳もいろいろ存在します。予算に合わせて手頃な価格の畳を選ぶこともできますが、その際はしっかり品質を確認するようにしましょう。同じ値段であっても畳によって肌ざわりや耐久性などが異なります。せっかく張替えた畳がすぐに傷んでしまうことのないよう、ある程度は質の高いものを選んでおく必要があるでしょう。
■賃貸の場合は張替え費用の負担元を確認する
賃貸住宅に住んでいる場合、契約書の内容によっては、貸主が畳の張替え費用を負担してくれる場合があります。基本的に経年劣化してしまう消耗品の交換は借主が負担するものですが、畳が消耗品として扱われていないケースでは、貸主が張替え費用を負担する契約となっていることもあるようです。畳の張替えを検討する際は、一度賃貸契約書を確認し、張替えについての記載がないか探してみることをおすすめします。
せっかくつくった心地のよい和室は、適切なメンテナンスをしながら快適な空間として住み継いでいきたいものです。畳の張替えには、それぞれの部屋に適した時期や方法があり、素人ではなかなか判断が難しいこともあります。まずは、信頼できる畳張替えの業者を見つけて相談してみることをおすすめします。最近は無料で出張見積もりを行っている業者も多いので、まずはそうした業者に依頼して、説明を受けてみるとよいでしょう。