畳にカビが生える原因は?生えた際の対処法と予防法も解説
畳は、日本の家屋において昔から親しまれてきました。そんな畳にも欠点があります。それは、湿気に弱くカビが生えやすい点です。畳敷きの部屋で生活をするうえで、カビの対処と予防は必須といえます。そこで本記事では、カビが生える原因から生えた際の対処法、生えないようにする対策をまとめて解説しましょう。
畳にカビが生える原因
畳にカビが生える原因は、主に温度、湿度、空気、そして養分の4つです。畳のカビは、これらの要件がそろった環境下で繁殖しやすくなります。
たとえば、部屋の風通しが悪く湿気が多い状況や室温が高くなっている場合、または畳の掃除が不充分で埃や汚れが溜まっている場合などが該当します。とくに「温度」と「湿度」は重要な要素であり、室温が20〜30度で湿度が75%以上の状態が続くと、カビが繁殖しやすくなるのです。
畳に使用されているイ草は、その高い吸湿能力によって部屋の湿度や埃を吸収して快適な状態を保ちますが、湿度が高い状況が続くとイ草もその湿度を吸収し、カビが繁殖しやすくなります。とくに新しいイ草は湿気を吸収する力が強いため、新しい畳のほうが古い畳よりもカビが発生しやすいのです。したがって、畳を新しく張り替える際などは、カビが繁殖しないような対策を行いましょう。
畳に生えるカビの種類としては、青カビ、白カビ、そして黒カビがあります。青カビは初期段階の軽度なカビで、食品にも発生することがあり、カビ臭を放つこともあります。
白カビは青カビの仲間であり、壁や柱、窓枠に発生しやすく、フワフワと舞う特徴があります。黒カビは重度で落ちにくく、頑固なカビであり、水気の多い場所で見られることが一般的です。
畳のカビ掃除には、マスクやゴム手袋などの安全対策をしっかりと行い、歯ブラシやエタノール、お酢、重曹などの道具や洗剤を使用します。畳のカビ掃除は種類によって方法が異なるため、まずはカビの種類を確認してから対処することが重要です。
畳にカビが生えた際の対処法
畳に生えたカビを取り除く際は、そのカビの種類や程度に応じて適切な方法を選択することが重要です。
まず、青カビや白カビが薄く生えている場合は、エタノールを使って掃除します。この場合、まず部屋を換気してカビの胞子を外に出し、掃除機を使って畳目に沿ってカビを吸い取ります。
そして、エタノールまたはお酢を薄めた液を畳に吹き付け、20分ほど放置した後、乾いた雑巾で拭き取ります。エタノールは濃度70~80%のものを使用しましょう。お酢は除菌作用があるため効果的ですが、畳の縁や新しい畳表に使用すると変色する可能性があるため注意が必要です。
一方、畳にひどい黒カビが生えている場合は、屋外での掃除がおすすめです。掃除機やほうき、雑巾でカビを除去した後、重曹をふりかけ、上からエタノールを吹き付けます。
その後、歯ブラシを使って黒カビを掻き出し、屋外で風通しのよい場所で日陰干しをするか、畳表面を裏返して乾燥させます。重曹は畳が変色するおそれがあるため、ピンポイントで使用するのがポイントです。
また、畳からカビ臭がする場合は、重曹と酸素系漂白剤を混ぜてペースト状にしたものを使います。このペーストを畳のカビの部分に塗り、5分ほど放置した後、乾いた雑巾で拭き取ります。これによって、カビの嫌な臭いを取り除くことができます。
畳に生えたカビは、早めに適切な方法で取り除くことが重要です。掃除の際には適切な安全対策をとり、畳の素材や状態に合わせて掃除方法を選択しましょう。
カビが生えないようにする方法
畳のカビや湿気対策には、日常的な習慣や適切な設備の活用が重要です。
まず、布団は敷きっぱなしにせず、寝る際以外は畳から上げて空気を通すことが大切です。布団は寝る際に発生する汗を吸収し、畳との間に湿気を溜める原因となります。晴れた日には布団を外に干して畳を乾燥させ、雨の日には布団乾燥機を利用することも有効です。
また、すのこを畳と布団の間に置くことで風通しをよくし、湿気を取り除くことができます。防湿シートの活用も効果的な方法です。畳床の下や畳と畳表の間に敷くことで、湿気を防ぎつつ和室の美観を損ないません。
除湿剤や除湿機の利用もカビや湿気対策に役立ちます。とくに梅雨時期など湿度が高いときには、除湿剤を活用して湿気を取り除きましょう。ただし、除湿機を設置する際には、定期的な排水タンクの管理やフィルターの清掃が必要です。
換気をこまめに行うことも重要です。窓を開けて空気を入れ替えることで、室内の湿度を下げ、カビの発生を抑えることができます。
部屋を掃除する際にも、畳の上をこまめに掃除し、カビの養分となる埃やゴミを取り除くことが大切です。普段から掃除機や箒、雑巾を使って畳を清潔に保ちましょう。
これらの予防法を日常的に実践することで、畳のカビや湿気を防ぎ、快適な和室を保つことができます。
まとめ
畳のカビは、温度、湿度、空気、養分の条件が揃う環境下で繁殖します。青カビ、白カビ、黒カビなど種類もさまざま。カビが生えた際には、種類や程度に応じた対処法が必要です。
エタノールやお酢を使用して掃除し、臭いを除去する方法もあります。予防策としては、畳の掃除、換気、除湿剤や防湿シートの活用などが有効です。
日常的なケアを行うことで、快適な和室を保つことができます。この記事を参考に、清潔かつ快適な畳の空間を保持しましょう。