畳の汚れが気になったら?正しい対処法と張替え時期の目安
長く使っている畳は、どうしても飲みこぼしやシミ、日焼けなどで汚れが目立ってくるものです。そんなとき、慌てて拭き取るだけでは逆効果になることもあります。本記事では、畳が汚れたときの正しい対処法や、畳の張替えの目安となる時期について紹介します。暮らしを快適に保つためにも、畳の状態をしっかりチェックしておきましょう。
どうして畳は汚れやすいの?その理由を知っておこう
畳が汚れやすいのは、使われている「イ草」という素材の特性が関係しています。
イ草には、空気中の水分を吸ったり吐いたりして、部屋の湿度をちょうどよく保つ働きがあります。この性質はとても便利で、自然に室内を快適な状態にしてくれます。
その反面、イ草は水分を吸いやすいです。たとえば、飲み物をこぼしてしまったときに畳はその水分をすばやく吸ってしまい、シミとして残りやすくなってしまうのです。
さらに、畳は繊維が細かく、ホコリや皮脂なども絡まりやすいため、日々の生活の中でどうしても汚れがたまりがちになります。
畳が汚れたときはどうする?汚れ別の対処法
畳はやさしい肌ざわりと落ち着いた見た目が魅力ですが、うっかり飲み物をこぼしたり、ペットが粗相をしてしまったりと、汚れが気になる場面も多いものです。
以下では、汚れの種類ごとに自宅でできるお手入れ方法をご紹介します。
色のついた飲み物や調味料をこぼしたとき
ジュースや醤油などの色が濃い液体を畳にこぼしてしまったら、すぐに表面の水分を拭き取りましょう。その後、塩や小麦粉、ベビーパウダーなど、水分を吸ってくれる粉末をこぼれた部分に振りかけます。
粉が水分と一緒に汚れも吸着してくれるので、数分おいてから歯ブラシやスポンジでこすり、掃除機で吸い取ります。最後に、固く絞った雑巾で水拭きをして、しっかり乾かしましょう。
インクをこぼしたとき
インクをこぼしたときにやってしまいがちなのが、ゴシゴシこすってしまうことです。これはかえってシミを広げてしまう原因になります。まずはペーパータオルなどでそっと押さえて、インクを吸い取るようにしましょう。
ある程度取れたら、酸素系漂白剤を水で薄めた液を用意し、雑巾に染み込ませてからシミの上をポンポンと叩いて落とします。力を入れすぎず、やさしくたたくのがポイントです。
ペットがおしっこをしてしまったとき
ペットが畳におしっこをしてしまったときは、まず乾いたタオルや雑巾ですぐに拭き取りましょう。その後、塩や小麦粉、ベビーパウダーをふりかけ、汚れを吸着させます。歯ブラシやスポンジで軽くこすり、粉末を掃除機で吸い取ったあと、しっかり絞った雑巾で水拭きします。
ただし、シミが取れても臭いが残る場合があります。その場合は、アルコール除菌スプレーやクエン酸水を使って消臭しましょう。
灯油をこぼしたとき
畳に灯油をこぼした場合は、すぐにペーパータオルなどで油分を吸い取りましょう。そのあと、小麦粉やベビーパウダー、粉末洗剤を振りかけて油分を吸わせます。粉が固まったら掃除機で取り除き、エタノールを含ませた布で拭き取ります。
さらに濡れ雑巾、乾いた雑巾の順でふき取ったら、畳に新聞紙をのせてその上に重しを置き、奥まで染みた油を吸わせましょう。作業中は必ず窓を開けて、しっかり換気を行なってください。
クレヨンのシミができてしまったとき
クレヨンが畳に付いてしまったときは、水拭きだけでは落ちにくく、逆に広がることもあります。そんなときは、界面活性剤入りの住居用洗剤を使いましょう。
原液を歯ブラシや布につけ、畳の目に沿ってやさしくこすります。汚れが薄くなったら、固く絞った雑巾で水拭きし、最後に乾いた雑巾でしっかりと仕上げます。こすりすぎないように気をつけながら、ていねいに取り除くのがポイントです。
畳が汚れたら張り替えのタイミングかも?交換の目安
畳は定期的なお手入れで長く使える床材です。しかし、汚れが目立ってきたり、シミが落ちなくなったりしたら、張り替えを考えるタイミングかもしれません。
無理に掃除でごまかそうとせず、畳の状態に合わせて張り替えることも検討しましょう。以下では、畳の張替え時期や方法について紹介します。
畳の張り替えにも段階がある
畳の張替えには「裏返し」「表替え」「新調」の3つの方法があります。まず、新しい畳を使いはじめてから約5年ほどで、裏返して裏面を使う「裏返し」が目安です。
その後、さらに4~7年程度で「表替え」を行います。これは畳の表面のゴザ部分だけを新しくする方法です。
そして使いはじめてから10年〜15年経ったころが「新調」、つまり畳そのものをまるごと交換するタイミングになります。
こまめな手入れをすることで寿命は延ばせますが、汚れや傷みが目立ってきたら、無理せず張替えを検討するのがおすすめです。
畳を新しくするにはどのくらい時間がかかる?
畳の新調では、畳の表面だけでなく、芯となる畳床や縁(ふち)まで、すべて新しく作り直します。そのため、既存の畳をもとに寸法を正確に測ってから製作し、完成後に入れ替える流れになります。施工にかかる日数は短いもので2日、長くて10日程度が目安です。
作業中も古い畳をそのまま置いておけるため、生活への影響は少なく済みます。汚れがひどく掃除ではどうにもならないようなときは無理に使い続けず、気持ちよく張り替えることで住まい全体の清潔感もぐんとアップします。
まとめ
畳はイ草の性質から水分や汚れを吸いやすいため、日常生活で汚れがつきやすい素材です。しかし、汚れがついても慌てずに適切な対処をすることで、きれいな状態を長く保てます。ジュースやインク、ペットの粗相など、汚れの種類に合わせた方法でお手入れすることが大切です。とはいえ、長年の使用で傷みやシミが目立ってきたら、張り替えを検討するタイミング。裏返しや表替え、新調の段階を知っておくと、畳を快適に使い続けるための目安になります。適切な手入れと張り替えで、畳のある暮らしをより心地よく保ちましょう。