畳の張替えを業者に依頼する際に注意するべきポイントとは?
畳が擦り切れてきたり変色してきたりしたら、畳の張替えを業者に依頼することになるでしょう。ただ、いざ張替えをしようにもコストや注意点を知らなければ不安は募るばかりです。そこで今回は畳の張替えにおける料金相場、さらには注意点を中心に徹底解説します。ぜひじっくり読んでみてください。
畳の張替え方法ごとの費用相場
主に、裏返し・表替え・新調の3つの張替え方法があります。ここでは、ぞれぞれの方法ごとに費用相場を紹介します。ただ業者によってもかなりの差があるので、その点は頭に入れた上でチェックしてもらえたら幸いです。
■裏返し
1畳あたりで3,000円から5,000円が相場であり、1畳あたり4,000円とすると6畳で約2万4,000円が料金の目安となります。畳表を裏返して再利用する方法であり、畳の張替え方法としては最も安いです。
作業自体も時間がかかるものではなく、1日で終了することがほとんどです。ちなみに以前は職人がその場で作業していましたが、現在では畳を工場に持っていき作業が終わってから運び入れるのが一般的です。
■表替え
1畳あたり5,000円から2万円が相場です。すこし範囲が広いですが、畳表のグレードによって価格に大きな差が生まれるからです。そもそも表替えとは、両面使い終わった畳表と畳縁を新しくする事を指しており、コストとしては裏返しと比べるとかなりかかります。
畳表はイ草を織って作られており、そのイ草の品質で価格に違いがでてくるのです。イ草は品質および産地によって細かくランク分けされており、当然コストがかかるものは耐久力がよいのはもちろん見た目にも優れています。
い草には国内産と外国産があり、当然国産のイ草のほうがランクは高いとされ、コストも高めです。外国産のイ草は太さや色にムラがあり、表面ももろく耐久性も低いので要注意です。
■新調
1畳あたり1万円から3万5,000円が相場です。畳のすべてを取り替えるのが新調なので、コスト的には一番かかります。新調の場合も表替えと同様に、イ草の種類などによって費用が大きく異なります。
また作業に2日以上かかることも珍しくなく、結果として人件費もかかるためコスト高になりやすいのです。ちなみに新調の期間は、畳を設置してから10年から15年程度とされています。
畳の張替え時期を判断するポイント
素人目で畳の状態の悪化を判断するのは簡単ではありません。目で見てハッキリと劣化が分かる状態になっている頃には、すでに完全に傷んでいることも多く、結果としてコストのかかる新調で対処することになるでしょう。ここでは畳の張替え時期を判断するポイントを解説します。
■2年から5年で裏返し
畳を設置してから2年から5年程度経ったら、畳床を長持ちさせるためにも裏返ししましょう。いつも同じところに座っていると、その一箇所だけが強く痛むことになります。そうならないようにするためにも、バランスを保つために少なくても5年程度で裏返しすることが肝心なのです。
■4年から7年で表替え
目安は4年から7年ほどです。表替えと裏返しは別々に行うこと自体は問題ありません。ただ裏返しを行ってから5年程度を目安に表替えを計画しましょう。そろそろ表面にも傷が目立ってくる頃ですし、ささくれがかなり見受けられる状態になっていると思います。日焼けやシミが残ることも多いため、表替えについてもそれほど時間を空けずに行ってください。
■10年から15年で新調
裏返しや表替えをしながら畳床を使用していきますが、それにも当然限界が来ます。10年から15年経過すると、表替えでも対処しきれないほど劣化が進んでいるはずです。日焼け跡もひどくなって色も変色し、表がボロボロになっているでしょう。
ただ使い方は設置場所によって、劣化のスピードは大きく異なることも事実です。状況によっては10年を経過する前に新調が必要な状況になっていることもあるので、気になる方は一度専門業者に畳の状態を見てもらうことも検討してください。
畳の張替えを業者に依頼する際に注意するべきポイント
畳の張替えをする時には業者に依頼するでしょう。しかし業者選びにも注意点がいくつもあり、それらを把握しておかなければ大きな失敗をする可能性もゼロではありません。ここでは、価格およびサイズに注目した注意ポイントを解説します。
■価格だけで選ばないこと
業者によって畳の張替えの価格は大きく異なることも事実です。見積もりなどをしてもらい、そのうえで決定すると思いますが、どうしても価格重視で選ぶ方が少なくありません。
値段だけで判断するのは危険であり、とくに表替えは職人のスキルが大いに関わります。安くても質が悪ければ、結果として早い段階で新調しなければならず、「安物買いの銭失い」になる可能性が高まるのです。
まずは使われる素材等を確認し、職人の実績と運もチェックした上で利用する業者を決めましょう。
■関東・関西でサイズが異なる可能性あり
関東で流通している畳のサイズは「江戸間サイズ」と呼ばれており、関西地方で流通する畳のサイズは「中京間サイズ」や「京間サイズ」と呼ばれています。さらに集合住宅では団地間と呼ばれるサイズを利用していることになり、それぞれ大きさが異なります。張替えをする前にあなたの家の畳のサイズを確認し、その上で業者に依頼しましょう。
畳の張替えを業者に依頼する際に注意するべきポイントを解説しました。最初に畳の張替えを業者に依頼する際にかかるコストの目安を明らかにし、畳の張替え時期を判断する基準(期間)も紹介しました。新調に関しては10年から15年が目安なので、すでに経過している家は多いでしょう。そろそろ業者に相談してみてはいかがでしょうか。
さらに畳の張替えを業者に依頼する際は、価格だけで選ばないこと、そしてサイズをチェックすることも大事です。和室のある部屋は家の癒しの空間にもなります。その空間を守るためにも、畳の管理を徹底しましょう。