縁なし畳と琉球畳の違いとは?メリット・デメリットを解説
最近では和モダンな雰囲気を持つおしゃれな和室を作るため、縁なし・半畳サイズの畳を購入する人が増えています。「縁なしで半畳サイズ=琉球畳」と勘違いしている人も多いですが、琉球畳は縁や大きさによる分類はありません。今回は、縁なし畳と琉球畳の定義やそれぞれの魅力について詳しく解説します。
縁なし畳と琉球畳の違い
縁なし畳と琉球畳は見た目が似ていることから混同されやすく、とくに縁なし畳はすべて琉球畳であると勘違いされているケースが非常に多いです。ここでは、縁なし畳と琉球畳について、それぞれの特徴や違いを詳しく解説します。
縁なし畳とは
縁なし畳とは、い草や樹脂、機械すき和紙などを畳表として使用している畳です。
畳の縁を縫わず、芯材となる畳床の裏面以外の部分を包み込んだ状態となっています。縁なし畳は通常の畳とは異なり縁がなく、最近では琉球畳のなかでもよく見られる正方形の半畳型と同じサイズのものが数多く販売されていることから、見た目で琉球畳と間違われることも少なくありません。
琉球畳とは
琉球畳とは、七島イやカヤツリグサを使用した畳です。「琉球畳は縁なしで正方形のもの」「2色の畳が互い違いに敷き詰められているもの」というイメージを持つ人が非常に多いですが、どれも間違いです。
そもそも七島イやカヤツリグサを使用していれば、縁があってもなくても琉球畳に分類されます。また、形ももちろん関係なく、琉球畳が必ず半畳サイズというわけではありません。
2色の畳を互い違いに敷き詰めているのは流行しているデザインではあるものの、琉球畳が使用されているとは限らないため注意が必要です。とくに畳に模様が入っていたりカラーバリエーションが豊富であったりする場合、半畳サイズの縁なし畳が敷き詰められているケースが多いでしょう。
縁なし畳と琉球畳の違いは?
縁なし畳と琉球畳の違いは、畳表に使用されている素材です。縁なし畳はい草や樹脂、機械すき和紙が使用されているのに対し、琉球畳では七島イやカヤツリグサが使用されています。縁や形に関係なく、素材の違いにより分類されています。
縁なし畳のメリット・デメリット
縁なし畳のメリット・デメリットは以下の通りです。
縁なし畳のメリット
縁なし畳は、琉球畳と比較してスピーディーな納品が見込めます。そもそも縁なし畳は通常の畳よりも手間がかかるため納期が遅くなりがちですが、琉球畳は縁なし畳よりもさらに時間を要します。
また、縁なし畳は素材のバリエーションが豊富であることから、部屋の雰囲気やインテリアに合わせた質感・見た目を選択することが可能です。カラーバリエーションも多いため、選ぶカラーによって和室の雰囲気が一気に変化するのも魅力といえます。
また、縁なし畳は安く購入できるのもうれしいポイントとなります。
縁なし畳のデメリット
縁なし畳のデメリットは、琉球畳と比較すると汚れが付着しやすいこと、摩耗性が低く耐久性の面で劣ることです。縁がないため、通常の畳よりも角部分が割れやすいです。また、耐久性・耐摩耗性は素材によっても異なります。
樹脂の縁なし畳は摩耗により毛羽立ちが目立ちますが、メンテナンス性には優れています。機械すき和紙の縁なし畳は耐久性が高く丈夫である反面、撥水効果が薄れてくるとシミや汚れが目立ちやすいです。
琉球畳のメリット・デメリット
琉球畳のメリット・デメリットについて解説します。
琉球畳のメリット
琉球畳は、通常の畳や縁なし畳と比較すると非常に丈夫で耐久性に優れています。七島イはもともと柔道部屋の畳として使用されていたほどであり、天然素材でありながら高い耐久性を持つのが特徴です。
和室にタンスなどの重い家具を置いても跡が残りにくく、模様替えの際にも不格好になりません。さらに、通常の畳を作る工程で行われる「泥染め」という作業を行わないことから、喘息やアレルギーなどを引き起こしにくいのもメリットのひとつです。
琉球畳のデメリット
琉球畳のデメリットは、納品までに時間がかかること、値段が高いことの2つです。琉球畳に使われる七島イやカヤツリグサは希少であるうえ、取り扱いがある農家も減少しています。また、琉球畳は手織りで作る畳であるため、経験豊富な職人であっても1日3枚ほどしか作れません。
質はよく価値も高いですが、作るのに時間がかかることからすぐには納品できず、また、素材の希少性や作り手の手間から、通常の畳や縁なし畳と比較すると値段は高くなってしまいます。
まとめ
今回は、縁なし畳と琉球畳の定義や違い、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。縁なし畳は通常の畳から縁をなくした造りのものであり、素材にはい草や樹脂などが使用されています。
対して、琉球畳は七島イやカヤツリグサを使用した畳であり、縁のあるなしや形には関係なく、素材により分類されています。縁なし畳と琉球畳では、見た目が似ている製品も多いですが、それぞれ異なるメリット・デメリットを持つのが特徴です。
安く畳を購入したい場合やさまざまなカラーバリエーションを楽しみたい場合は縁なし畳を、和室に重い家具を置く予定がある場合や安全性にこだわりたい場合は琉球畳を選ぶのがよいでしょう。